ワールドカップロシア大会総括その2

今回は注目した各国の個人的評価を。


ドイツ

個人的に大会前は優勝候補筆頭に置いていた。エジル、クロース、ドラクスラーの中盤とミュラー、ロイス、ゴメス、ヴェルナーの攻撃陣でポゼッションをうまく使いつつ点を取れるだろうと思ったが大誤算。特にヴェルナーは本来裏に抜けて走らせるべき選手なのに試合ではヴェルナーがサイドからクロスを上げるような形になっていて全く活かせてないと思った。他のフォワードも自分から展開してフィニッシュまで行ける選手ではないためメキシコやスウェーデンのように引いて守られたらほぼ終わりであった。珍しく司令塔のクロースにミスが目立った。そしてあいも変わらずDF陣はアジリティに欠け、カウンターの餌食になっていた。得意のサッカーが通用しなかった時点で戦略をガラリと変えることが思い切ってできなかったことが一次リーグ敗退の要因だろう。


フランス

早々にポゼッションサッカーからカウンターへ切り替え、アタッカー陣が期待通りに決めるというチーム一丸になったサッカーが出来ていた。当然の優勝だろう。多くの人はムバッペとグリーズマン、それからパヴァールの活躍に目を奪われがちだが僕自身は今大会フランスのMVPは間違いなくカンテだと思う。レスター時代からの変わらないデュエルの強さはDFの負担を軽減するとともにオフェンスに素早くチェンジしてカウンターへ移行する今回のフランスの得点パターンの多くを演出した。むしろカンテが止められなかった時を探す方が難しく、カンテがいなかったらフランスは間違いなく準決勝までで敗退していただろう。守備陣ではヴァランが素晴らしい働きを見せた。選手の年齢が若く、ムバッペを中心に次回大会にも期待がかかる。